VBA　フォルダ作成（MkDir）

■ 基本構文
■ 基本例：フォルダの作成
■ 注意点①：親フォルダが存在している必要がある
■ 対処法：フォルダが存在しなければ作成する
■ 応用例：階層フォルダの自動作成（上級）
■ エラー処理を加える（重要）
■ フォルダ作成後の活用例
■ よくあるエラーと対策
■ 関連関数・ステートメント
■ まとめ

■ 基本構文

MkDir path

path：作成するフォルダの完全パス（文字列）

■ 基本例：フォルダの作成

Sub フォルダ作成例()
    MkDir "C:\Users\YourName\Documents\新しいフォルダ"
End Sub

このコードを実行すると、指定されたパスに "新しいフォルダ" が作成されます。

■ 注意点①：親フォルダが存在している必要がある

' このコードはエラーになります（中間のフォルダが存在しない場合）
MkDir "C:\Users\YourName\Documents\2025\06\14"

MkDir は、一階層ずつしかフォルダを作成できません。
2025 や 06 など中間のフォルダが存在していないと「パスが見つかりません」エラーになります。

■ 対処法：フォルダが存在しなければ作成する

Sub フォルダ存在チェックと作成()
    Dim folderPath As String
    folderPath = "C:\Users\YourName\Documents\レポート"

    If Dir(folderPath, vbDirectory) = "" Then
        MkDir folderPath
        MsgBox "フォルダを作成しました。"
    Else
        MsgBox "フォルダはすでに存在します。"
    End If
End Sub

Dir(path, vbDirectory) でフォルダの存在を確認。
存在しない場合にのみ MkDir を実行。

■ 応用例：階層フォルダの自動作成（上級）

中間の親フォルダがない場合も含めて、階層ごとにフォルダを作成する方法：

Sub 階層フォルダ作成()
    Dim fullPath As String
    fullPath = "C:\Users\YourName\Documents\業務\2025\06\14"
    
    Dim parts() As String
    Dim i As Integer
    Dim buildPath As String

    parts = Split(fullPath, "\")
    buildPath = parts(0) & "\" ' 最初のドライブ部分（例：C:\）

    For i = 1 To UBound(parts)
        buildPath = buildPath & parts(i) & "\"
        If Dir(buildPath, vbDirectory) = "" Then
            MkDir buildPath
        End If
    Next i

    MsgBox "階層フォルダをすべて作成しました。"
End Sub

このマクロは、C:\Users\YourName\Documents\業務\2025\06\14 のようなパスにおいて、すべての階層を一つずつ確認し、必要に応じて作成します。

■ エラー処理を加える（重要）

Sub 安全にフォルダ作成()
    On Error GoTo エラー処理

    Dim folderPath As String
    folderPath = "C:\TestFolder"

    If Dir(folderPath, vbDirectory) = "" Then
        MkDir folderPath
        MsgBox "フォルダ作成成功"
    Else
        MsgBox "既に存在しています"
    End If

    Exit Sub

エラー処理:
    MsgBox "エラー発生：" & Err.Description
End Sub

■ フォルダ作成後の活用例

作成したフォルダにファイルを保存する：

Sub 新規フォルダにファイル保存()
    Dim savePath As String
    savePath = "C:\TestFolder"

    If Dir(savePath, vbDirectory) = "" Then
        MkDir savePath
    End If

    ThisWorkbook.SaveAs Filename:=savePath & "\作業ファイル.xlsx"
End Sub

■ よくあるエラーと対策

エラー内容	原因・対策
パスが見つかりません	親フォルダが存在しない → 上記の階層作成法を使う
ファイル名、または番号が不正です	`MkDir` のパス指定ミス → 末尾に `\` を含めない
無効なパス	ネットワークや特殊記号含む → パスを事前チェック

■ 関連関数・ステートメント

関数・命令	役割
`Dir`	フォルダやファイルの存在確認
`RmDir`	空のフォルダを削除
`MkDir`	新しいフォルダを作成
`Name`	ファイルやフォルダの名前を変更
`GetAttr`	ファイル属性の取得

■ まとめ

特徴	内容
フォルダ作成命令	`MkDir "フルパス"`
親フォルダが必要	存在しないとエラーになる
存在チェックには `Dir()` 使用	`If Dir(path, vbDirectory) = "" Then MkDir path`
複数階層対応には工夫が必要	`Split`とループで1階層ずつ作成
エラーハンドリング推奨	`On Error` で例外処理を入れると安全