VBA　フォルダ削除（RmDir）

■ RmDirの基本構文
■ 使用条件と前提
■ 基本的な使用例
■ フォルダーが空か確認する処理
■ 中身があるフォルダーを削除するには？
■ エラー処理の追加
■ RmDirの用途まとめ
1. メリット：
2. デメリット：
■ RmDirとKillの違い
■ まとめ（ポイント整理）
■ 補足：代替手段としてのShell利用

■ RmDirの基本構文

RmDir path

path は削除したいフォルダーのパス（文字列）を指定します。
例: RmDir "C:\TestFolder"

■ 使用条件と前提

RmDirは、空のフォルダーしか削除できません。中にファイルや他のフォルダーが存在する場合、エラー（エラー番号 75：パスが見つかりませんなど）が発生します。したがって、削除前に対象フォルダーが空であることを確認する必要があります。

■ 基本的な使用例

Sub DeleteFolder()
    Dim folderPath As String
    folderPath = "C:\TestFolder"

    If Dir(folderPath, vbDirectory) <> "" Then
        RmDir folderPath
        MsgBox "フォルダーを削除しました。"
    Else
        MsgBox "フォルダーが存在しません。"
    End If
End Sub

この例では、まずフォルダーの存在をDir関数で確認し、存在すればRmDirで削除します。

■ フォルダーが空か確認する処理

実際のシナリオでは、フォルダーが空であるかどうか確認するのが一般的です。以下に簡単な確認方法を示します。

Function IsFolderEmpty(folderPath As String) As Boolean
    Dim file As String
    file = Dir(folderPath & "\*.*")

    If file = "" Then
        IsFolderEmpty = True
    Else
        IsFolderEmpty = False
    End If
End Function

この関数を使って、削除前に中身があるかどうかを判定できます。

■ 中身があるフォルダーを削除するには？

RmDirでは空でないフォルダーを削除できないため、フォルダー内のすべてのファイルとサブフォルダーを再帰的に削除してからRmDirを使う必要があります。

以下は中身のあるフォルダーを完全に削除する関数の例です：

Sub DeleteFolderRecursive(folderPath As String)
    Dim fso As Object
    Set fso = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")

    If fso.FolderExists(folderPath) Then
        fso.DeleteFolder folderPath, True
    End If
End Sub

このコードでは、Scripting.FileSystemObject を利用することで、RmDirより強力な削除が可能です。

■ エラー処理の追加

RmDirは対象のフォルダーが存在しない場合や、削除不可能な状態（アクセス権限、使用中など）で実行されるとエラーになります。これを防ぐために、エラー処理を加えるのが推奨されます。

Sub SafeRmDir(folderPath As String)
    On Error GoTo ErrorHandler

    If Dir(folderPath, vbDirectory) <> "" Then
        RmDir folderPath
        MsgBox "フォルダーを削除しました。"
    Else
        MsgBox "フォルダーが見つかりません。"
    End If

    Exit Sub

ErrorHandler:
    MsgBox "エラーが発生しました：" & Err.Description
End Sub

■ RmDirの用途まとめ

メリット：

シンプルで軽量。
VBA標準関数で動作が早い。

デメリット：

空フォルダーしか削除できない。
エラーが出やすい（中身があったり、ロックされていたりする場合）。

■ RmDirとKillの違い

RmDir：空のフォルダーを削除。
Kill：ファイルを削除するための命令。

例えば、フォルダー内のファイルを削除したい場合はKill "C:\TestFolder\*.*"のように使います。ただし、Killもサブフォルダーには対応していないため、再帰処理が必要です。

■ まとめ（ポイント整理）

RmDirは空のフォルダーのみ削除可能。
中身がある場合はKillやFileSystemObjectを併用する。
エラー処理を加えることで安定した動作が可能。
再帰的な削除はScripting.FileSystemObject.DeleteFolderが便利。

■ 補足：代替手段としてのShell利用

Windowsのcmdコマンドを利用する方法もあります。

Shell "cmd /c rmdir /s /q """ & folderPath & """", vbHide

この方法ではフォルダーが空でなくても強制的に削除できます。ただし、操作の可視性やエラーハンドリングに課題があるため慎重に使用すべきです。