VBA　フォルダ確認（Dir）

■ Dir関数の基本構文

Dir[(pathname, [attributes])]

• pathname：検索するファイルやフォルダーのパス（文字列）
• attributes（省略可）：検索対象の属性（ファイル/フォルダー、隠しファイルなど）

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■ 属性（attributes）の種類

定数	値	内容
vbNormal	0	通常のファイル
vbReadOnly	1	読み取り専用ファイル
vbHidden	2	隠しファイル
vbSystem	4	システムファイル
vbDirectory	16	ディレクトリ（フォルダー）
vbArchive	32	アーカイブ属性

複数の属性を組み合わせるには「+」を使います：

Dir("C:\MyFolder", vbDirectory + vbHidden)

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■ 使い方①：ファイルの存在確認

If Dir("C:\test\file.txt") <> "" Then
    MsgBox "ファイルは存在します。"
Else
    MsgBox "ファイルが存在しません。"
End If

Dir関数は、該当するファイルやフォルダーが存在する場合はそのファイル名を返す。存在しない場合は空文字列（""）を返します。

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■ 使い方②：フォルダーの存在確認

If Dir("C:\MyFolder", vbDirectory) <> "" Then
    MsgBox "フォルダーは存在します。"
Else
    MsgBox "フォルダーは存在しません。"
End If

このように、vbDirectoryを指定しないとファイルとして探され、フォルダーは見つからないことがあるため注意が必要です。

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■ 使い方③：ワイルドカードでファイルを検索（列挙）

Sub ListTextFiles()
    Dim fileName As String
    fileName = Dir("C:\TestFolder\*.txt")

    Do While fileName <> ""
        Debug.Print fileName
        fileName = Dir
    Loop
End Sub

ポイント：

• Dir関数は最初の呼び出しで検索条件を指定します。
• 2回目以降は引数なしで連続呼び出しし、次の一致ファイルを取得します。
• 一致するものがなくなれば""を返します。

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■ フォルダーの一覧を取得する例

Sub ListFolders()
    Dim folderName As String
    folderName = Dir("C:\TestFolder\*", vbDirectory)

    Do While folderName <> ""
        ' "."と".."は除外
        If folderName <> "." And folderName <> ".." Then
            If (GetAttr("C:\TestFolder\" & folderName) And vbDirectory) = vbDirectory Then
                Debug.Print folderName
            End If
        End If
        folderName = Dir
    Loop
End Sub

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■ Dirの注意点

注意点	内容
① グローバルな状態管理	Dirは内部的に状態を持つため、複数のDirループを同時に使用できません。
② “.”や”..”の除外が必要	フォルダー一覧を取得すると、.と..も返ってくるため除く必要あり
③ サブフォルダーの検索非対応	Dir単体ではサブフォルダー内を検索できません。再帰的な処理が必要です。
④ ファイル名のみ返す	フルパスではなく、ファイル名のみ返します
⑤ 属性の扱いが限定的	vbSystem や vbHidden などを意識しないと、一部ファイルが見つからない

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■ よく使うパターンマッチ

パターン	説明
"*.txt"	拡張子が .txt のファイル
"file?.txt"	file1.txt, fileA.txt など
"data*.csv"	data, で始まるCSVファイル
"*"	すべてのファイル/フォルダー

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■ 実用的な使用例：特定のファイル群を削除

Sub DeleteLogFiles()
    Dim file As String
    file = Dir("C:\Logs\*.log")

    Do While file <> ""
        Kill "C:\Logs\" & file
        file = Dir
    Loop
End Sub

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■ 応用例：サブフォルダーも含めてファイルを検索（再帰処理）

Sub ListAllFilesRecursive(folderPath As String)
    Dim file As String
    Dim subFolder As String

    ' ファイルを列挙
    file = Dir(folderPath & "\*", vbNormal)
    Do While file <> ""
        Debug.Print folderPath & "\" & file
        file = Dir
    Loop

    ' サブフォルダーを列挙
    subFolder = Dir(folderPath & "\*", vbDirectory)
    Do While subFolder <> ""
        If subFolder <> "." And subFolder <> ".." Then
            If (GetAttr(folderPath & "\" & subFolder) And vbDirectory) = vbDirectory Then
                ListAllFilesRecursive folderPath & "\" & subFolder
            End If
        End If
        subFolder = Dir
    Loop
End Sub

呼び出し例：

Call ListAllFilesRecursive("C:\TestFolder")

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■ まとめ（要点）

• Dirはファイル/フォルダーの存在確認や一覧取得に便利。
• ワイルドカードを使えば、複数ファイルの処理が容易。
• 複数のループで使う際は内部状態の競合に注意。
• サブフォルダー対応や属性判定などの拡張にはGetAttrや再帰が必要。