UserFormのイベント

プロシージャ

VBA（Visual Basic for Applications）では、UserForm（ユーザーフォーム）を使って、視覚的なインターフェースを作成し、ユーザー入力を効率的に取得することができます。UserFormはコントロール（テキストボックス、ボタン、チェックボックスなど）と組み合わせて使うことが多く、これに付随するイベントプロシージャを活用することで、インタラクティブで柔軟な動作を実現できます。

◆ UserFormイベントとは？

UserFormイベントとは、ユーザーフォーム自体やその中に配置されたコントロール（TextBox、CommandButtonなど）で発生するアクション（表示、クリック、変更など）に対応して実行されるVBAプロシージャです。

たとえば、UserFormを開いたときに初期化処理をしたり、ボタンがクリックされたときに処理を開始したりといったことが可能です。

◆ UserFormイベントの記述場所

  1. VBE（Visual Basic Editor）を開く（Alt + F11）
  2. プロジェクトウィンドウで「UserForm1」などのフォームをダブルクリック
  3. 上部のドロップダウンから「UserForm」やコントロール名を選び、右側でイベントを選択

◆ 主なUserFormイベント一覧と説明

1. UserForm_Initialize

UserFormが表示される前に一度だけ呼び出されます。主に初期設定に使用します。

Private Sub UserForm_Initialize()
    ComboBox1.AddItem "男性"
    ComboBox1.AddItem "女性"
    TextBox1.Value = "ここに入力"
End Sub

2. UserForm_Activate

UserFormがユーザーに表示されたときに実行されます。Initializeのあとに起こります。

Private Sub UserForm_Activate()
    MsgBox "フォームがアクティブになりました"
End Sub

3. UserForm_QueryClose

フォームが閉じられる前に呼ばれ、閉じる処理をキャンセルすることもできます。

Private Sub UserForm_QueryClose(Cancel As Integer, CloseMode As Integer)
    If MsgBox("本当に閉じますか？", vbYesNo) = vbNo Then
        Cancel = True
    End If
End Sub

4. UserForm_Terminate

UserFormが完全に閉じられた後に発生します。リソース解放などに使われます。

Private Sub UserForm_Terminate()
    MsgBox "フォームが閉じられました"
End Sub

◆ コントロールのイベント（UserForm内）

UserForm上に配置した各コントロールにもイベントがあります。

● CommandButton（ボタン）

Private Sub CommandButton1_Click()
    MsgBox "ボタンがクリックされました"
End Sub

● TextBox（テキスト入力）

Private Sub TextBox1_Change()
    Label1.Caption = "現在の入力：" & TextBox1.Text
End Sub

● ComboBox（プルダウン選択）

Private Sub ComboBox1_Change()
    MsgBox "選択された値：" & ComboBox1.Value
End Sub

● CheckBox（チェック）

Private Sub CheckBox1_Click()
    If CheckBox1.Value = True Then
        MsgBox "チェックされました"
    Else
        MsgBox "チェックが外れました"
    End If
End Sub

◆ 実用例：ログインフォーム

以下は、ユーザー名とパスワードを入力して認証するフォームの例です。

Private Sub CommandButton1_Click()
    If TextBox1.Text = "admin" And TextBox2.Text = "1234" Then
        MsgBox "ログイン成功"
        Me.Hide
    Else
        MsgBox "ユーザー名またはパスワードが間違っています"
    End If
End Sub

Private Sub UserForm_Initialize()
    TextBox1.Text = ""
    TextBox2.Text = ""
    TextBox2.PasswordChar = "*"
End Sub

◆ 応用機能：フォームの動的変更

表示中のラベルやテキストをリアルタイムで更新：

Private Sub TextBox1_Change()
    Label1.Caption = "文字数：" & Len(TextBox1.Text)
End Sub

◆ エラー処理の追加

フォームではユーザー操作が不確実なので、エラー処理も重要です。

Private Sub CommandButton1_Click()
    On Error GoTo ErrHandler
    Dim x As Integer
    x = CInt(TextBox1.Text)
    MsgBox "数値：" & x
    Exit Sub

ErrHandler:
    MsgBox "有効な数値を入力してください"
End Sub

◆ UserFormの表示方法

UserFormは次のようにして表示します。

Sub フォーム表示()
    UserForm1.Show
End Sub

モーダル（他の操作をブロック）で表示され、.Show vbModeless を指定すれば非モーダル表示が可能です。

UserForm1.Show vbModeless

◆ イベント活用の注意点

  • 過剰なイベントの使用はパフォーマンスに悪影響を与える
  • 無限ループや意図しない再実行を防ぐため、フラグや条件を使う
  • Initialize → Activate →（操作）→ Terminate の流れを理解する
  • テスト時は .Hide と .Unload の違いに注意（Hide はメモリ上に残る）

◆ まとめ

項目内容
主なイベントInitialize, Activate, Click, Change, QueryClose, Terminate 等
使用タイミング初期化、クリック処理、データ検証、フォーム終了処理などに活用
コントロール例CommandButton, TextBox, ComboBox, CheckBox など
実用例ログイン、フォームバリデーション、リアルタイム計算など
注意点過剰なイベント使用、エラー処理、モーダル制御
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