Applicationオブジェクト Application.StatusBar

Application.StatusBar は、VBA（Visual Basic for Applications）で Excel画面下部のステータスバーに任意のメッセージや進捗情報を表示するために使う Application オブジェクトのプロパティです。

通常、Excelのステータスバーには「準備完了」「入力モード」などが表示されますが、VBAを使うことで 一時的にユーザー定義のメッセージを表示できます。

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🔷 基本構文

Application.StatusBar = "ここに表示したいメッセージ"

ステータスバーを元に戻す：

Application.StatusBar = False

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🔷 主な用途

用途	説明
ユーザーへの通知	マクロ処理中に「読み込み中…」などを表示
進捗状況の表示	ループ処理の途中で現在の件数などを表示
デバッグ	Debug.Print の代わりに画面上に一時的に出力

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🔷 使用例①：処理中メッセージの表示

Sub ステータスバー表示()
    Application.StatusBar = "データ処理中...お待ちください"
    
    ' 擬似処理
    Application.Wait Now + TimeValue("00:00:03")

    Application.StatusBar = False ' 元に戻す
End Sub

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🔷 使用例②：ループの進捗状況表示

Sub 進捗表示()
    Dim i As Long
    For i = 1 To 100
        Application.StatusBar = "処理中：" & i & " / 100"
        DoEvents ' ステータスバー更新を有効にする
        Application.Wait Now + TimeValue("00:00:01")
    Next i
    
    Application.StatusBar = False ' リセット
End Sub

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🔷 ステータスバーに表示できる型

• String 型（メッセージ文字列）
• False：ステータスバーをExcelの通常表示に戻す

その他の型（数値、日付など）も文字列に変換されて表示されます。

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🔷 注意点・制約

項目	内容
StatusBar に設定した内容は自動では消えない	必ず False を代入して元に戻す必要があります
長い文字列は途中で切れる	ステータスバーの幅に制限あり（約80〜100文字程度）
DoEvents を使わないと反映されない場合がある	処理が速すぎると表示が更新されないことがある
エラー時にステータスバーがそのまま残る	エラー処理（On Error）で False に戻すのが推奨

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🔷 エラー対応を含めた実用テンプレート

Sub 安全なステータスバー処理()
    On Error GoTo エラー処理
    
    Application.StatusBar = "処理開始..."
    
    ' --- 処理内容 ---
    Dim i As Long
    For i = 1 To 10
        Application.StatusBar = "進捗: " & i & " / 10"
        DoEvents
        Application.Wait Now + TimeValue("00:00:01")
    Next i

終了処理:
    Application.StatusBar = False
    Exit Sub

エラー処理:
    MsgBox "エラーが発生しました: " & Err.Description
    Resume 終了処理
End Sub

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🔷 よくある活用パターン

パターン	例
起動中の表示	“レポート作成中…”
件数カウント	“現在 23 件目を処理中”
検索結果	“対象データは見つかりませんでした”
処理終了通知	“完了しました（処理時間：3秒）”

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🔷 ステータスバー vs MsgBox vs Debug.Print

項目	StatusBar	MsgBox	Debug.Print
表示場所	Excel画面下部	ポップアップ	イミディエイトウィンドウ
ユーザー操作を妨げない	✅	❌（クリックが必要）	✅
ログとして残る	❌	❌	✅
動的表示（進捗など）	✅	❌	❌

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🔷 まとめ

項目	内容
プロパティ名	Application.StatusBar
種類	読み書きプロパティ
主な用途	ステータスバーへのメッセージ表示
戻す方法	Application.StatusBar = False
注意点	表示後に False を設定して必ず元に戻すこと
補足	DoEvents を使うと表示が確実に更新される