UserForm / Controls

1. はじめに

Excel VBA では、フォーム（ダイアログボックス）を使って、ユーザーとの対話型の操作を実現できます。
このフォームを構成する中心的なオブジェクトが UserForm です。そして、その中に配置するボタンやテキストボックスなどの個別の UI 部品は Controls というコレクションに属します。

UserForm + Controls を使うことで、グラフィカルな入力画面やアプリケーション的なUIの構築が可能です。

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2. UserForm オブジェクトとは？

2-1. 概要

UserForm は、VBAでGUI（グラフィカルユーザーインターフェース）を作成するための基本オブジェクトです。
フォームは、Visual Basic Editor（VBE）上でデザインモードで編集でき、各種コントロールを配置できます。

2-2. 主な特徴

• モーダル（他のウィンドウを操作できない）またはモデルレス（他の操作可能）として表示可能。
• Show メソッドで表示し、Hide や Unload で非表示または終了。
• 自由に UI 要素を追加できる（テキストボックス、ボタン、ラベルなど）。

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3. UserFormの主なプロパティ・メソッド

プロパティ／メソッド	説明
Caption	フォームのタイトルバーの文字列
Height, Width	フォームのサイズ（ポイント）
Top, Left	画面上での位置（ピクセル）
BackColor	背景色
Show	フォームを表示（モーダル／モデルレス）
Hide	フォームを非表示にする
Unload	フォームをメモリから削除

例：UserFormを表示する

Sub フォーム表示()
    UserForm1.Show
End Sub

モデルレスで表示したい場合：

UserForm1.Show vbModeless

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4. Controls コレクションとは？

4-1. 概要

Controls は、UserForm に配置されたすべてのコントロール（部品）を管理するコレクションです。
たとえば：

• TextBox（文字入力欄）
• CommandButton（ボタン）
• Label（文字表示）
• ComboBox（ドロップダウン選択）
• ListBox（リスト選択）

すべてが Controls コレクションの要素です。

4-2. Controls の使い方

特定のコントロールにアクセス：

UserForm1.Controls("TextBox1").Text = "こんにちは"

または、For Each を使って全体に一括処理：

Dim ctrl As Control
For Each ctrl In UserForm1.Controls
    If TypeName(ctrl) = "TextBox" Then
        ctrl.Text = ""
    End If
Next

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5. 主なコントロールのプロパティと使い方

コントロール名	主なプロパティ	用途
TextBox	Text, Enabled	ユーザーの入力を受け取る
CommandButton	Caption, Enabled	ボタンとして操作実行
Label	Caption, BackColor	テキスト表示用
ComboBox	AddItem, Value	選択肢の提供
ListBox	List, Selected	リストから選択
CheckBox	Value（True/False）	選択・非選択
OptionButton	Value	ラジオボタン（排他選択）
Frame	内部にコントロール配置	グルーピング用

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6. イベントの活用

各コントロールにはイベント（クリック、変更、フォーカスなど）があります。
フォーム上でボタンがクリックされたときの例：

Private Sub CommandButton1_Click()
    MsgBox "ボタンがクリックされました！"
End Sub

テキスト変更時の処理：

Private Sub TextBox1_Change()
    Label1.Caption = TextBox1.Text
End Sub

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7. コントロールの動的作成

コードでフォーム上に新しいコントロールを追加することも可能です。

Private Sub UserForm_Initialize()
    Dim newBtn As MSForms.CommandButton
    Set newBtn = Me.Controls.Add("Forms.CommandButton.1", "btnDynamic", True)
    
    With newBtn
        .Caption = "動的ボタン"
        .Left = 50
        .Top = 100
        .Width = 100
    End With
End Sub

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8. フォームから値を受け取る

フォームのテキストボックスからユーザー入力を取得する例：

Sub フォーム結果取得()
    UserForm1.Show
    MsgBox "入力値：" & UserForm1.TextBox1.Text
End Sub

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9. フォームの閉じ方と Unload の違い

• Me.Hide はフォームを非表示にしてメモリ上に残す（再利用可能）
• Unload Me はフォームを完全に終了させる（再度 Show 時に再初期化）

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10. 応用例：ログインフォーム

Private Sub CommandButton1_Click()
    If TextBox1.Text = "admin" And TextBox2.Text = "pass123" Then
        MsgBox "ログイン成功！"
        Unload Me
    Else
        MsgBox "IDまたはパスワードが違います"
    End If
End Sub

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11. トラブル防止のTips

• コントロール名の重複に注意。コレクションアクセス時にエラーになります。
• .Textや.Valueの扱いの違いを理解する（TextBoxはText、CheckBoxはValue）。
• ループ処理での型指定に注意（Control型は汎用だが、特定機能にはキャストが必要）。

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12. まとめ

要素	説明
UserForm	フォームの本体。フォーム全体の外観や動作を制御する。
Controls	フォーム内に配置された各種UI要素（TextBox、Buttonなど）を管理するコレクション。
主な用途	ユーザー入力・選択、GUIによる操作、確認ダイアログ、メニュー代替など。
表示方法	.Show（モーダル／モデルレス）
主なイベント	Click, Change, Initialize, Activate など