Applicationメソッド　Application.GetOpenFilename

Application.GetOpenFilename は、VBA（Visual Basic for Applications）における Excelアプリケーションのメソッド のひとつで、ユーザーに ファイル選択ダイアログを表示し、その選択されたファイル名（パス）を取得するために使います。

ファイル自体は開かず、ファイルパスだけを取得するのが特徴です。選択したファイルを開くかどうかは、取得後に開発者が制御します。

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🔷 基本構文

Application.GetOpenFilename( _
    FileFilter, _
    FilterIndex, _
    Title, _
    ButtonText, _
    MultiSelect)

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🔷 引数の詳細

引数名	型	説明
FileFilter	Variant	表示するファイルの種類（拡張子）をフィルタ指定
FilterIndex	Variant	初期選択されるフィルタの番号（1から開始）
Title	Variant	ダイアログボックスのタイトルバーに表示されるテキスト
ButtonText	Variant	（Mac専用）ボタンの表示名（Windowsでは無視される）
MultiSelect	Variant	True にすると複数ファイルの選択が可能（戻り値は配列）

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🔷 戻り値

• 通常：選択されたファイルの完全パス（文字列）
• 複数選択：Variant型配列（最初の要素が False でなければ、選択されたファイルの一覧）
• キャンセル時：False が返る

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🔷 使用例①：単一ファイルの選択

Sub ファイルを選ぶ()
    Dim ファイル名 As Variant
    ファイル名 = Application.GetOpenFilename( _
        FileFilter:="Excelファイル (*.xls; *.xlsx), *.xls; *.xlsx", _
        Title:="ファイルを選択してください")

    If ファイル名 <> False Then
        MsgBox "選択されたファイル: " & ファイル名
    Else
        MsgBox "キャンセルされました"
    End If
End Sub

この例では、Excelファイルだけが表示され、ユーザーがファイルを選択すればパスが取得されます。

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🔷 使用例②：複数ファイルの選択

Sub 複数ファイル選択()
    Dim ファイル名 As Variant
    Dim i As Integer

    ファイル名 = Application.GetOpenFilename( _
        FileFilter:="すべてのファイル (*.*), *.*", _
        Title:="複数ファイルを選択", _
        MultiSelect:=True)

    If IsArray(ファイル名) Then
        For i = LBound(ファイル名) To UBound(ファイル名)
            Debug.Print "選択ファイル: " & ファイル名(i)
        Next i
    ElseIf ファイル名 = False Then
        MsgBox "選択されませんでした"
    End If
End Sub

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🔷 FileFilter の構文

textコピーする編集する"表示名, *.拡張子, 表示名2, *.拡張子2"

複数フィルターを定義可能（2つずつペア）

例：

FileFilter:="Excelブック (*.xlsx), *.xlsx, テキストファイル (*.txt), *.txt"

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🔷 応用：ファイルを選んで開く

Sub ファイルを開く()
    Dim パス As Variant
    パス = Application.GetOpenFilename("Excelファイル (*.xlsx), *.xlsx")

    If パス <> False Then
        Workbooks.Open パス
    End If
End Sub

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🔷 よくある注意点

注意点	内容
GetOpenFilename は ファイルを開かない	戻り値はあくまでパス。ファイルを開きたければ、別途 Workbooks.Open を使う必要あり。
キャンセル時は False を返す	Variant 型にして False チェックが必要
複数選択時の戻り値は配列	IsArray 関数で判定が必要

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🔷 MacとWindowsの違い

• Windows: ButtonText 引数は無視されます。
• Mac: ButtonText でボタンの表示をカスタマイズ可能。

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🔷 まとめ

項目	内容
機能	ファイル選択ダイアログを表示し、ファイルパスを取得する
開く処理	自動で開かれない（手動で Workbooks.Open など使用）
戻り値	ファイルパス（文字列）、または配列（MultiSelect=True）、または False
主な用途	ユーザーにファイルを選ばせる。パス取得。

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✅ よく使うテンプレート（シングル）

Dim f As Variant
f = Application.GetOpenFilename("すべてのファイル (*.*), *.*")
If f <> False Then
    MsgBox "選んだファイル：" & f
End If